茶道をはじめるにあたって気になるのが、マナーです。
「こんなに覚えることがあるの?」と、不安に思われるかもしれませんが、お稽古に通うごとに少しずつ身についていくもの。最初は知らなくて当然です。
茶道のお点前も、時期限定のものや、位が高いお茶碗を使ったお点前など、沢山あります。しかし一度に全てを覚えるのではなく長年続けていく中で、お点前を通して季節を感じたり新しいお道具に出会っていく、これも楽しみの一つになります。
また、基本的なことですが、お茶会などを通して、玄関にお邪魔するときや茶室に入る際の動作、畳の間の歩き方など、生活の中での基本的な動作が自然と身についていきますので、身のこなしがとてもステキな女性になれます。
重きを軽く、軽きを重く
茶道の言葉に、「重きを軽く、軽きを重く」という言葉があります。これは「重いものはさも軽いかのように、軽いものはさも重たいかのように扱う」ということです。
茶道具の中には水指やお釡のように重たいものを動かす動作や、茶筅や茶杓のように軽いものを動かす動作があります。
小さいものを扱うことも多いですが、全ては高価なものばかり。それらを扱う際に、軽々と持ち上げて動作をすると見ている側が危なっかしくてヒヤヒヤしてしまいます。逆もまたしかり。その、“相手を気遣う気持ち”は、茶道だけにとどまらず、仕事や日常生活にも生きてきます。
一期一会
他にも、茶道の有名な言葉で「一期一会」という言葉があります。「人との出会いを大切にし、今この時にできる最高のおもてなしをしましょう」という意味です。茶人でなくとも使われる方が多い言葉ですね。利休のもてなしの心は知らず知らずのうちに日本人の心に浸透しているのです。
茶道を通して「日本女性らしさ」を身につけることができますし、茶道を通して出会う世代の違う方々とお話しする中で、人間としての成長も大きく望むことができます。