作法・道具・お点前・流派など、茶道初心者のためのサイト

お茶碗が割れてしまったら・・

お稽古やお茶会で使われている茶道具の中には高価なものが沢山あります。

お道具を拝見するときにも正座した膝の上に肘を固定し、手で包み込むように持って拝見するので、万が一落ちてしまっても大丈夫なような作法を習います。

茶道ではアクセサリーは身につけてはいけないというマナーもあるので、価値ある茶道具を後世に残すよう大切に扱いましょう!

もちろん、すべての人が高価なものとして扱うので私が通っていた教室ではお道具が壊れたということは過去に一度もないと聞いています。

ただし、12月には一年お稽古でお世話になったお道具を大切にする意味を込めてあえて割れたお茶碗を使うことがあります。「割れていたら怪我しちゃうじゃない?」そんな風に思う方も多いと思いますが、大丈夫!

金継ぎ(きんつぎ)

Tea_bowl_fixed_in_the_Kintsugi_method割れたお茶碗を、割れたまま使うわけではありません。【金継ぎ】と言って、割れた陶器を、漆と米の粉でつなぎ合わせて金で装飾するという、伝統技法があるのです。ひびや割れ目のところに金色の筋が入っているので、私も初めて見たときは驚きました。

茶の湯が盛んだった室町時代に金継ぎの歴史が始まったと言われいて、金継ぎされたお茶碗は景色(見た目の雰囲気)が変わるので、もともと作家が決めた正面ではないところが正面に変わることもあるそうです!

そもそも、割れてしまったお茶碗を修復するのになぜ金ぴかで目立つように修復するの?さも、割れてないかのように修復したらいいじゃないか?そんな風に考える方も多いのではないでしょか?

実際、欧米諸国の方も私と同様に金継ぎされたお茶碗を見ると驚くそうです。割れてしまった場所に美的価値をプラスして、そのもの自体の価値を高めるという、ものを大切にする日本だからこその思想や技術を感じることができるのが、金継ぎなのです。大量生産大量消費のもので溢れかえっている現代で、お茶碗が割れたら修理に出すという発想を持つ方は減っているのではないでしょうか。

ものを大切に末永く愛用することはもちろんのこと、壊れてしまったものをどう活かすか?

昔のように知恵を絞り、さらに良いものとして蘇らせることができるものが増えると素敵ではないでしょうか。

長年受け継がれてきた伝統があるからこそ、茶道を通して学べることが沢山あります。

PAGETOP
Copyright © はじめての茶道ガイド All Rights Reserved.